ラベル

ラベルは部分的に判読可能であり、かつて《モナ・リザ》がヴェルサイユ宮殿に飾られていたことを示しています。「(・・・)絵画管理官へ/ヴェルサイユにて」、「総監の部屋(・・・)」。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた別の肖像画《美しき金物商の妻》の裏面には、より保存状態が良く、比較可能なラベルが存在することから、実際にヴェルサイユの絵画管理官であったデュ・ラモーの名を確定することができました。

財務卿官邸に置かれていた『国王の絵画目録』からは、この絵が、王室建築総監であるアンジヴィレール伯爵の官舎の最初の部屋に飾られていたことがわかっています。

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「29」

この数字自体に意味はありませんが、フランス革命時、革命暦5年メシドール27日(現行歴1797年7月15日)に、ヴェルサイユ宮殿で選別・記録された作品リストにおける、この作品の順位に対応しています。その後、この作品は中央芸術博物館(今日のルーヴル美術館)へと移されました。《モナ・リザ》は、最終的に1797年8月12日に同博物館のコレクションに加えられ、1798年2月6日、初めて一般に公開されることになります。

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目録番号

赤のステンシル版で記された目録番号は、《モナ・リザ》をMR第316番としています。この番号は、第一帝政の崩壊後の復古王政期に与えられたもので、現在は用いられていません。「王立美術館」(1816年7月22日王令により創設)を意味するMとRの文字が、王権の象徴であるユリの花の左右に配され、その上にはブルボン家の王冠が刷り込まれています。  

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《ラ・ジョコンド》

パネル裏面の左上には、黒チョークで《ラ・ジョコンド》の銘が手書きで記されています。続いて右側の延長上にイニシャルが記入されていますが、判読も同定もできていません。銘、イニシャルともに、ポプラ材に書き込まれた年月日は不明です。これまでのところ、絵の題名以外の情報を得ることはできません。

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« H »

《ラ・ジョコンド》の銘、二重燕尾形蟻枘(ありぼそ)、そして数字の29が形作る三角形の中央に、紅殼チョークで「H」の文字が書かれています。いつ、誰によってこれが記入されたのかは不明です。最近、この「H」は「ジョコンダ」のフィレンツェ式発音の表記である「ホンダ」に対応するのではないかという仮説が立てられました。

他の痕跡は、おそらく、この絵の度重なる取り扱いや年次検査の際に残されたマークや目印ではないかと思われます。

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