復元
1950年に出土した掌と、収蔵庫に保管されていた二の腕の断片から、右腕の動きが明らかになりました。右腕は挨拶のしぐさをするために、肘を曲げて前方へ上げられていたのです。
他に見つかった断片から、右の翼は左よりも高い位置にあったと推測できます。
左腕の位置だけがいまだに明らかになっていません。恐らく下に降ろされていたと思われます。頭部は正面を向いていたか、わずかに左を向いていたようです。
「勝利の女神」は、船の甲板にそっと舞い降りたところなのです。右足は甲板に乗せられ、左足はまだ宙に浮いていました。
彫像の姿勢がよくわかり、船首の形が復元され、船形台座に対する彫像の位置が正確に決まったことで、このモニュメントの全体像を描くことができるようになったのです。